Twitterはこれからどうなるのか? 企業・自治体の今後の運用を考える

2022年秋にイーロン・マスク氏が買収した後に、APIの制限が掛かるなど何かと話題になってきたSNS「X」(旧Twitter、記事内ではTwitter表記とする)。 個人だけでなく、企業、官公庁・自治体の発信ツールとしても幅広く使われていますが、これから大きく変わろうとするなか、どう活用していけばよいのでしょうか?
そんなTwitterを「どの企業も活用すべき」と語るアユダンテ代表取締役の安川洋と、ITジャーナリストの高橋暁子氏。
今回は、「これからのTwitterの可能性」について議論しました。

Web担当者Forumビジネスに役立ちSNSに対談記事を掲載していただきました。

対談者プロフィール

高橋暁子氏

高橋暁子氏

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。
SNS などのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。
書籍、雑誌、Web メディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。
テレビ・ラジオ・雑誌等での解説等も行っている。
元小学校教員。
『 ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』 幻冬舎 、
『 Facebook × Twitterで儲かる会社に変わる本』 (日本実業出版社)等著作多数。
教育出版令和3 年度中学校国語の教科書にコラム掲載中。

アユダンテ(株)代表取締役社長 安川 洋

アユダンテ(株)代表取締役社長 安川 洋

1989年に入社した日本アイ・ビー・エムを経て、1994 年マイクロソフトに入社。
インターネットを中心に、ポータルサイトの立ち上げやモバイル戦略を担当する。
マイクロソフトと大手通信キャリアとのジョイントベンチャー立ち上げに携わった後、2000 年に独立起業しSEO 機能を持ったCMS やデジタルマーケティングを手掛ける会社を起業、CTO に就任する。
起業した会社を売却後、2006 年アユダンテ株式会社を創業した。
プログラミングは中学生から。

Twitterが愛され続ける理由

2006年にリリースされた当初から、構造やデザインがほとんど変わっていないTwitterは、唯一無二のSNSとしての地位を築いてきました。
イーロン・マスク氏の買収や仕様変更などがあるたびに、Twitterに代わるSNSについて取り沙汰されますが、Twitterユーザーが全員で移行することはありませんでした。
乗り換える先にTwitterほどのユーザー数がいないことや、そもそもTwitterでのみつながっているフォロワー達とつながれなくなってしまうからです。

対談の様子1

高橋氏が教鞭を執る大学の学生たちをはじめとしたZ世代は、いかに短時間で濃い情報を得られるかという点を重視しています。
その点、Twitterは、フォローを絞れば、20~30のツイートから欲しい情報を一気に手に入れることが可能になり、知りたい”情報”を”無料”で得られるメディアとして重宝しています。

テレビや新聞などの旧来のメディアは、一定の文脈の上で決まった報道をしているため、ときにはフェイクニュースを産んでしまうことも。
Twitterは個人や企業が自身について直接発信をし、読み手は情報のサマリーも入手できるツールなので、より信頼のできる情報を得ることができます。


炎上対策として企業がすべきことは?

企業が炎上や誹謗中傷を恐れる理由として、不買運動の恐れや、会社の信用を傷つけてしまう可能性があるからだと思います。
ですが、炎上が発生した際に、多くの企業は誠実に対応して、逆にファンを増やす結果につながることもあります。
普段からフォロワーとの信頼関係を築くことで、自浄作用が働きフォロワーに受け入れてもらえることも。
企業がTwitterを運用する場合も、素直な発言をすることがオススメです。


フォロワーに共感を産むツイートの特徴

対談の様子2

共感を産みやすいツイートの特徴のひとつが、人柄を出して真面目にきちんと発言をすることです。
人付き合いと同じで、自分の人となりを相手に伝えることで、共感を産みフォロワーになり、ファンになりやすいです。
企業のTwitterでも、一方的に情報を発信するのではなく、ユーザー側が欲している情報や、商材、サービスを、分かりやすくまとめて発信することが重要です。
そのなかで「楽しい」という価値をプラスすることができれば、アカウントをフォローする理由になります。
さらに、1人で運用するのではなく、あらかじめニックネームなどを決めて複数人で運用すると、「チーム感」や「会社の雰囲気」を伝えることが出来ます。

企業のアカウント運用の形

企業でTwitterを運用していく際や、複数人で運用する際に重要になるのが、専用の「ツール」を使うことです。
専用ツールならば上長とメンバー間で投稿の「承認」が容易になり、メンバーの異動などがあっても、権限の付与/削除が簡単に行えます。
さらに「予約投稿機能」を利用すれば、通勤時間帯の朝7時台や、お昼休憩時間帯の12時台など、リーチしたい層が一番Twitterを見ている時間に合わせて投稿することが可能になります。


対談の様子3

企業がTwitterを運用する際に、「数値目標」を置くケースもあると思いますが、フォロワー数をKPIに置くのは違うように思います。
ただフォローやリツイートが多ければいいわけではないので、長い目で見ることが大切です。
数値目標を置くことで、目標達成ばかりにフォーカスしてしまい、何のために運用しているのかわからなくなってしまうことも。。

Twitterには企業アカウントも沢山あり、中には数十万人単位でフォロワーを得ているアカウントもあります。
様々なアカウントを運用の参考にして、真似できる点はぜひ真似て、自社の発信に使ってみてください。


WEB担当者フォーラム ビジネスに役立つSNS

Twitterはこれからどうなるのか? 企業・自治体の今後の運用を考える

  • Twitterの唯一無二のポジションニングは変わらない
  • 個人の声を拾えるから、地域貢献や社会活動にも活用される
  • つぶやきには人柄こそが人柄をことが、共感を生む
  • 企業はアカウントを運用する場合、目標はどうする!?
  • まずはTwitterを使ってたくさんフォローしてみよう
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