企業Twitterが投稿を最大限見てもらう日時とポイントは?

*この記事はITジャーナリスト高橋暁子さまに寄稿いただきました。

Twitterは、SNSの中でも特に拡散力が高いことで知られるSNSだ。多くの企業で、一度は利用を検討したことがあるのではないか。

実際、10代、20代などの若いユーザーに人気のため、特に若い層にリーチしたい際にはおすすめだ。2019年4月におけるTwitterの世界の月間アクティブユーザー数は3億3,000万人。ユーザー数は米国が1位で4,900万人だが、2位は日本でその数は3,700万人に上る。

Twitterのいいところは流れてきたものが読まれ、読んだものにリアクションするという緩さなのだが、企業が運用するのであれば効果がほしい。では、どのような投稿をすれば読まれやすく、リツイートや「いいね」などのリアクションがきやすいのだろうか。企業アカウントを運用する上でのコツをご紹介していきたい。

ツイッターのイメージ画像

自社の専門性に合わせた投稿がおすすめ

誰でも投稿したら、ツイートに対してできるだけ多くの人に読んでもらい、拡散したりリアクションしたりしてほしいと考えるだろう。本題に入る前に、まず企業がやるべき基本からおさえていこう。

当然、多くのリアクションをもらうためには、ツイートの内容が大切となる。まず、そのアカウントでどのような投稿をするのかを決めること。投稿内容は、自社の専門性や商品・サービスを求める客層に合った内容がいいだろう。自社と親和性が高く、フォロワーがフォローしてまで読みたくなる内容を心がけてほしい。

たとえば筆者のアカウントの場合は専門性に合わせて、IT、SNS、情報モラルリテラシー、ITがらみの事件やセキュリティ、教育関係のことを中心としている。普段からそのようなことを投稿していると、筆者の記事の読者だけでなく、該当分野に興味関心を持つ人達にフォローしてもらえるようになる。自分の記事だけを投稿するのではなく、筆者が気になる関連記事や重要な記事を感想とともに投稿することで、役立つタイムラインになるのではないかと考えている。

美容院アカウントならヘアケアやコスメなどが親和性が高いし、塾のアカウントなら教育・子育て系情報など子育て世代向けの情報は喜ばれるはずだ。

画像つきで見やすい投稿を心がけよう

投稿する内容について決まったら、次はリアクションが多くくる投稿の仕方について考えていこう。

全体に、ユーザーが共感できる内容や、シェアしたくなる内容、つまり他の人にとっても役立つ、面白い、楽しい内容の場合は、リアクションが多くなる傾向にある。ネガティブなものは見たくないので、ポジティブなトーンを心がけることだ。企業からの情報であれば、お得な情報も「いいね」やリツイートされやすい。Twitterは自分の考えや価値観、情報などを発信する場となるので、自分の考え・意思として発信したくなる内容に寄せるのがいいだろう。

Twitterキャンペーンなどをする際は、キャンペーン用ハッシュタグを用意する例も多いのではないか。この際に、恥ずかしいハッシュタグや条件をつけると、応募数が減る可能性が高くなる。若者の間では、Twitterでは複数のアカウントを使い分けることが一般的となっている。リツイートなどを条件として拡散を狙っても、シェアしたくない内容の場合、フォロワーがほぼいない「懸賞用アカウント」でシェアされてしまう可能性が高くなる。たとえキャンペーンを行う場合でも、ハッシュタグや条件もシェアしたくなるようなものにするのがいいだろう。

ツイートの見た目も大切だ。画像つきの方が読まれる割合もリアクション率も高くなることはよく知られているので、必ず画像をつけるか、サムネイル画像が表示されるようにしておきたい。また、ツイートに見出しを付けたり、行あけをするなど見やすくする工夫も大切だろう。利用が多いハッシュタグをつけるのもいい。

ターゲット層によって異なる「アクティブ時間」

もう一つが、フォロワーがアクティブでリアクションされやすい時間帯に投稿することだ。これを知るためには、効果分析ツールを使うといいだろう。

実はサービス側から見ると、アクセス時間帯によって、ユーザーの年齢などがある程度特定できると言われている。たとえば学生の場合、一般的に朝と放課後、特に夜間に高くなり、日中のアクセスは極端に下る。同時に、週末や長期休暇などは極端に利用が増えるという特徴がある。もし10代がメインターゲットだとすれば、10代が一番アクティブな時間帯に投稿するのが最適解ということになる。

実際、デジタルアーツの「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2020年4月)によると、未成年全体では「19〜21時台」が利用最多。続いて「16〜18時台」「22〜24時台」「7〜9時台」となっている*1。10代にリーチしたいなら、このようなデータは頭に入っている必要があるのだ。

主婦のうち、20、30代が食材や日用品の買い物をしているときに見るメディアはスマートフォンであり、食べログなどの利用時間は夕飯の買い出しの時間帯に増えるという話もある。つまり、自社のフォロワーと商品・サービス・店舗などのターゲットによって、アクセス状況が異なると考えられるのだ。

つまり、自社アカウントのフォロワーの活発な曜日と時間帯には一定の傾向があるはずなので、投稿を見てもらいたいのであれば活発な曜日と時間帯を選んで投稿するのがベストだ。また、リツイートや「いいね」などをしてもらいたいのであれば、実際にテストツイートをして効果検証するとさらに精度が上がるはずだ。効果的な曜日と時間帯がわかったら、投稿予約機能を使って確実に投稿するようにするといいだろう。

先にご紹介したデータのように、自社ターゲットの詳細なアクセスがわかる調査があればと思った方も多いだろう。そのような方は、Twitterのアナリティクスを既に使っているかもしれない。アナリティクスは、ツイートごとの詳細なインプレッションやエンゲージメント数、エンゲージメント率などがわかってとても便利だ。ただし残念ながら、ここで知りたいフォロワーの動向や自社ターゲット層の動向まではわからない。

一般論が当てはまらない「フォロワーの活動時間帯」

つぶやきデスクは、アユダンテ株式会社が企画・開発・運用している企業向けTwitterクライアントだ。主に企業や店舗などの複数人で共通のTwitterアカウントを運用するチームにとって使いやすいだろう。分析機能、予約投稿機能、ハッシュタグをフォルダ分けできる機能などがある。

2010年7月にサービスイン。一般企業をはじめ、自治体や官公庁など約200社に選ばれている。サービス開始から10年目となり、5月にインターフェイスを大幅に改変した新しいバージョンとして生まれ変わっている。今回、ご提供いただいたので、自分のアカウントで使用感を試してみた。

つぶやきデスクの「効果分析」メニュー画面
つぶやきデスクの「効果分析」機能を見ていこう

一般的にビジネスパーソンの場合、Twitterなどのサービスを見る時間帯は、始業開始前または通勤電車の中、ランチタイム、退勤時間から就寝時間までの間が多くなるものだ。筆者のある記事の読者層は、40代、50代、30代の順に多く、若干男性が多くなっている。つまりビジネスパーソンの割合が高めだ。これはどのツールで調べてもほぼ同様なので、おそらくIT系の話題に興味があるビジネスパーソン、子育て世代がターゲットと考えられるだろう。

つぶやきデスクでは、「フォロワーの活動時間帯」でフォロワーの活動時間を感覚的に知ることができる。フォロワーが活動している時間帯は暖色、中でも赤の色が濃いほど活発であり、緑色だとほぼ動いていない。

つぶやきデスクのヒートマップ機能
つぶやきデスクによる筆者のフォロワーの利用時間

試しに筆者のTwitterアカウント(@akiakatsuki)を見ると、フォロワーが一番活発な時間帯は平日の12時台。コロナ禍でテレワークになっている影響があるのだろうか、少々意外なことに、一般的に活発になると言われている通勤時間帯はそれほど活発にはなっていない。反対に、週末を目前にした木曜、金曜の夜、20時頃は非常の活発であり、週末もなかなか活発と言っていいだろう。逆にアクティブ率が低い曜日は、水曜日となっていた。

平日のアクティブ率の高さは感覚的に理解していたが、週末も意外とアクティブなのは少々予想外だった。筆者の記事は編集部の意向で週末に配信されることが多いが、やはり週末にじっくり読まれる内容なのかもしれない。またランチ時間にアクセスが高くなるのは定説だが、なんと水曜だけがランチタイムでもアクセスが少なく、なんと緑色と黄色(!)だったのには驚いた。一般論が自分のフォロワーにも通用するわけではないし、定説で動くことも怖いことがよく分かる。このようなツールを使う大切さを改めて感じる。これで見た後は、見てほしいツイートは意図的にランチタイムや週末にしようと行動が変わった。

今回は、主にフォロワーの利用時間分析を中心に見てきたが、つぶやきデスクにはまだまだ使える多くの機能がある。次回、そのあたりについてもご紹介していきたい。