SNSマーケティングとは? 新時代のコミュニケーション戦略

顧客に自社の製品を購入、サービスを利用してもらうためには、適切な情報を、適切なタイミングで伝えていく必要があります。
近年、スマートフォンの普及に伴いSNSの利用者も格段に増えました。かつてはブランディングツールの一環として行われていた企業の公式SNSアカウント運用は、今新たにマーケティングツールとしても見直されています。
一方で、企業としてSNSを運用する最適な方法がわからないという声も聞きます。
SNSマーケティングとはそもそも何なのか? 今回は、各SNSの特性の解説と併せてSNSマーケティングのメリット、課題についてお伝えします!

1. SNSマーケティングとは

SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略。PCやスマートフォンを介して1対1やグループ、1対多数と同時にオンラインで繋がる、コミュニケーションツールです。

世代を問わず、年々利用者も増え、利用時間も伸びています。スマホの普及率が向上し、ちょっとした隙間時間に、SNSを利用するという人が増えています。

1-1. SNSの利用率・普及率は年々上昇を続けている

モバイル機器の利用率

参照:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要*1*2

総務省の平成30年版情報通信白書によると、スマホの利用率は2012年度(32.0%)から2018年末(87.0%)と急速に伸びています。
その普及に伴い、モバイル機器によるインターネット利用時間も平日休日ともに増加しています。
2018年には調査開始から初めて、平日休日ともにインターネット利用者率がテレビ視聴を上回りました。

SNSの利用率

参照:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要*3*4

インターネット利用時間の中でも、SNSの利用は全体の3割ほどの時間を占めています。この中には動画サービスの時間が含まれていないので、含めると平日には4割強、休日には7割弱の時間、利用されていると言えます。
また、SNSの中でもLINEは2012年には利用率が20.3%から、2018年には82.3%とスマホの普及とほぼ連動して普及率が上昇しました。TwitterやInstagramなど他のサービスも同様に全年代の30%以上の利用率まで上昇しています。

1-2. 日本のユーザーは情報収集にSNSを活用している

ソーシャルメディアを利用して良かったこと
参照:平成30年版 情報通信白書 ソーシャルメディア利用のメリット*5

総務省が行った、「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)*5によると、SNSを利用したユーザーの7割以上が利用してよかったと答え、そのメリットとして、1)新しいつながりの創出、2)既存のつながりの強化、3)情報の収集をあげています。

中でも日本のユーザーにおいては、コミュニケーションツールとしてよりも、3)の情報収集にメリットを感じている人が多いという結果が得られました。

SNSはユーザーにとって新しい情報、自分が興味を持っている分野の情報などを探すプラットフォームとして利用されているとわかります。

情報を待つユーザーが集まっているSNSを、マーケティングに活用していくことは、今後のマーケティング活動に欠かせません。

さらに従来の代理店を経由したCM放映や広告掲載などにくらべ、安価で、スピーディな情報提供が可能です。

Twitterの「いいね」「RT」を代表とする拡散機能、LINEやFacebookのようにエリアや嗜好による細かいターゲティングでの広告配信など、SNSごとに特徴があります。

SNSマーケティングは、こうしたSNSの特性を理解し、自社の製品・サービスの情報を、ユーザーに適切なタイミングで直接届ける仕組みづくりの1つです。

2. SNSの種類とユーザー数の比較

主なSNSとアプリの年代別利用率
参照:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要*6

SNSマーケティングを成功に導くためには、各SNSの特性を理解する必要があります。自社の製品、サービスに対して、親和性の高いユーザーはどこに集まっているのか? そのSNSはどういった特性を持つのか、理解するところから、SNSマーケティングは始まります。

そこで、現在主流となっているSNSのユーザー数や年齢層についてまとめました。
ユーザー数に関しては、メディアでの掲載記事を、年齢層については平成30年度に総務省が行った調査を参照しています。

Twitter
国内利用者4500万(2018年10月時点)*7、「ツイート」という140字の短文メッセージを投稿したり、気になるアカウントをフォローして情報収集を行ったりと、情報の拡散スピードの早いSNS。匿名アカウントが多く、精密なターゲティングなどは厳しいですが、若年層の利用者が多く、加えて匿名の分ユーザーの生の声や潜在ニーズ、リアルタイムのトレンドなどを聞く、ソーシャルリスニングができるメリットがあります。
Facebook
国内利用者2600万人(2019年7月時点)*8、実名登録を前提とした、知人や友人同士での繋がりが基本のSNS。長期的な運用によるファン獲得、コミュニティ運営が可能です。Facebook広告はユーザーが登録している様々な情報をもとにした精密なターゲティングが可能で、活用している企業も多く存在します。30代以降のビジネスユーザーの活用も多く見られます。
YouTube
国内利用者6200万人(2018年12月末時点)*9、幅広い年齢層に利用されているSNS。一対多を基本とした動画配信機能が特徴。動画の編集や企画設計の難しさはあるものの、ブランディングやロイヤリティを高めることに適しています。有名インフルエンサーとのコラボ商品が一日でコンビニの棚から消えてしまったことも!
LINE
国内利用者8400万人(2020年3月末時点)*10、幅広い年齢層に利用されているSNS。メッセージのやりとりや電話が主な機能。無料・有料含めたスタンプの存在が特徴の1つ。新たな顧客接点の創出や顧客・ファンとの継続的な関係構築が可能な点も魅力的! 加えて、年齢や性別、居住地など細かいセグメンテーションができるので、エリア戦略を考える上では欠かせないツールと言えます。
Instagram
国内利用者3300万人(2019年3月時点)*11、写真や動画をユーザー同士で共有できるSNS。加工・編集機能も豊富。以前だと10代を中心とする若者の利用が多かったですが、近年は30代・40代の子育て世代の利用も増えているようです。ファッションや飲食など視覚的な商材のある業界との相性が抜群!
LinkedIn
国内利用者200万人(2019年5月時点)*12、20~30代に利用されているビジネス特化のSNS。採用目的で利用している企業アカウントが多いのが特徴。企業の採用担当やヘッドハンターが気になった個人に対して、スカウトやイベント、セミナーの招待をするために利用されています。海外と比べ、国内での認知度は低めです。

3. SNSアカウント運用によるメリット

企業が公式アカウントを運用するにあたり、実際にどのような目的で運用していけばよいでしょうか?実際に企業アカウント運用がもたらす、メリットについて考えます。

3-1. 集客・新規ファンの獲得

認知度を高める方法は、テレビや新聞などのマスメディアやチラシ、デジタルサイネージなど様々ありますが、SNSをうまく利用することで、ターゲットやエリアを絞った施策や、既存の方法では接点が持てなかった顧客との繋がりを生み出します。

イベントやセミナーの集客の場合、フォロー&RTキャンペーン、ハッシュタグを利用した告知、ターゲットを絞った広告出稿などで効率よく集客が行えます。昨今のイベント自粛の中でも、ウェビナーやオンラインセミナーにもSNSを活用した集客、参加者管理を行っている企業は多くあります。

ECサイトでの購入がゴールの場合、SNS上で購入を検討している人にアドバイスや、すでに購入していただいた人の投稿にコメントやリアクションを送ることは、今後ファンになっていただける可能性もあり、継続的な利用にも繋がりやすいので有効です。

SNSを運用し始めた初期段階では、ゴールへの誘導を急ぎ、宣伝色を出しすぎると、拒否反応を示される場合もあります。あくまでユーザーは、コミュニケーション、自分に必要な情報収集を行う場としてSNSを利用しています。まずはファンを増やすためにもユーザーとのコミュニケーションを第一に運用しましょう。

3-2. 消費者の実際の感想が聞ける(ソーシャルリスニング)

自社の製品やサービスについて、良くも悪くも実際の感想を聞けるのがSNSです。
ソーシャルリスニングと呼ばれ、ほぼリアルタイムに近い情報を収集できます。しかも生活者の生の声を聞けるので、製品改良やプロモーションの設計の参考になる情報が得られます。

加えて、自社の製品・サービスだけでなく、競合も調査できるので、どのように思われているか、差分はなにか、定性的に把握できます。

昨今はどのSNSツールもアカウントのインサイト分析に力を入れています。
注意点としては、調査のゴールを事前に設定しておくこと。際限なくできてしまう分、どのツール・SNSを使用するのか、どういったデータが欲しいのか、何に利用するのか、どれくらい行うのか決めておかないと最終的に「何がしたかったんだっけ?」となりかねません。

3-3. ブランド認知・指名検索が増える

ユーザーとのコミュニケーションを継続しながら、SNS上でユーザーが知りたいことに焦点を置いて投稿していくことで、アカウントへの信頼が増し、ブランドへの親近感がわきます。
ユーザーが消費行動を起こす際に、ブランド想起してもらいやすくなります。

加えて、SNSでは購入者の投稿内容もブランド認知の後押しをしてくれます。

画像と共に「Aのケーキ美味しかった」という投稿を見て、そのフォロワーが「A ケーキ」と検索エンジン、またはSNSで検索するでしょう。ユーザー・ファンの投稿がECサイトに辿り着くのを助けてくれるのです。

ECサイトに限らず、BtoBでもブランド認知や指名検索を増やすことは可能です。BtoBであれば、特定の分野において専門性のある情報を常日頃から提供していくことで、サービスに対する信用度を増し、「~なら○○さんに任せてみよう」と検討段階で企業名、ブランドを想起しやすくなります。

4. 企業アカウント運用における課題

企業の公式アカウントを運用するうえで、いくつかの課題・注意点があります。

4-1. リソース不足

企業の公式アカウントは、広報部門やマーケティング部門、ブランド部門などで担当をつけ、専任ではなく、他の業務と兼任で運用しているケースが多く見られます。
担当自身のSNSに対する慣れや知識も重要ですが、社内の理解、連携が必須です。
先に述べたソーシャルリスニングをビジネスに生かすためにも、また次に述べる炎上に対するリスクマネジメントに向けても、社内の各部門と連携しておくことも重要です。

4-2. 炎上に対するリスクマネジメントも重要

SNSは一度悪い情報が拡散されてしまうと瞬く間に炎上し、対処が遅いとSNS内にとどまらずテレビや新聞などの影響力が強いメディアまで届くことも。 対処法を誤ると、企業のブランド価値を損なうだけでなく、これまでのファンを失い、不買運動に発展する可能性もあります。
炎上の発生を予見することは難しいです。ただ少なくともSNSを運用するチームをつくり、投稿を管理することで、誤爆による炎上は防げます。

こちらの記事も参照:「企業アカウントがSNS炎上しないための対策

5. 長期的な視点での運用が成功のカギ

SNSマーケティングは、公式アカウントを開設したらすぐに活用でき、効果が出るものではありません。時間をかけて、ユーザーとのコミュニケーションをはかり、ファンを醸成し、顧客の声に耳を傾けながら、適切なタイミングで情報提供していく必要があります。

一方でリソース不足や、炎上の心配など、課題もあります。
運用担当者の作業を軽減し、炎上などの懸念を軽減すべく、つぶやきデスクは生まれました。
企業アカウント運用に特化した機能を、ぜひご活用ください。

つぶやきデスクの機能

フォロワー/他社アカウントの活動時間帯分析
Twitterの分析・解析

自分をフォローしてくれている人達がどの時間帯に活発になるのかをヒートマップで確認できます。ヒートマップが赤くなっている時間帯に投稿することで今までよりもクリック数などのエンゲージメントが高まります。
機能の詳細を見る

投稿内容をCSVで登録 予約時間に投稿
日時を指定しての予約投稿が可能

定期的な投稿や、月間で投稿プランをたて、投稿文をまとめて登録しておけば、自動的に指定した日時に投稿します。
機能の詳細を見る

ツイート前にリーダーが承認許可
ツイート前にリーダーが承認許可

Twitterを運用担当者が慣れない頃は、企業の公式アカウントとして投稿内容が適切かどうか、心配です。つぶやきデスクでは投稿する前にリーダーが投稿内容を確認できる承認システムがあります。これにより、不要な発言による炎上や会社の方針に沿わない投稿を予防できます。「モニター専用リスト」も併用することで、より堅実な運用体制を目指せます。
またこの機能を使えば、外部の運用会社を利用した場合も、最終チェックを社内で行ったうえで投稿が可能になります。
機能の詳細を見る

メンバーの投稿をチェックするモニター専用リスト
メンバーを監視するモニター専用リスト

商品やサービスについて頻繁に話題にしているユーザーや、影響力の多いユーザーの投稿をメンバーに登録することで、彼らの投稿をいち早くチェックできます。
これにより、SNS上での話題のトレンドをキャッチアップしやすくなります。
機能の詳細を見る

キャンペーンなどの応募を集約可能な検索フォルダ
キャンペーンなどの応募を集約可能な検索フォルダ

社名や商品名、あるいは競合の名前をキーワードとして登録しておくことで、そのキーワードを含む投稿を漏れなく調査できます。好意的・批判的な意見を実際に消費者から聞くことできるだけでなく、使い方によっては競合との差分なども分かります。また、登録していたキーワードの露出が急激に増えるとアラートを鳴らす機能もあるので、トレンドに乗り遅れることも防いでくれます。
機能の詳細を見る

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