運用しているTwitterアカウントがTwitter社から凍結・制限されることがあります。公式アカウントの凍結は情報発信の制限だけでなく、アカウントの信頼性にも影響します。
ここではアカウントが凍結・制限される原因や対応方法、注意点を解説します。
その行為、規約違反かも?アカウントが凍結する原因とは
Twitterのアカウントが凍結する理由として、次のようなものが挙げられます。
a. 年齢設定のミス
b. 誹謗中傷や信頼性を脅かす行為
c. スパム報告、一斉フォロー
d. その他、Twitterルールに違反する行為
e. セキュリティに問題がある
年齢設定のミス
公式アカウントの凍結理由として多いのが年齢制限です。Twitterは利用できる年齢を13歳以上としています。公式アカウントで生年月日の設定を会社の設立年やアカウント作成日にすると、13歳未満とみなされて凍結されてしまう恐れがあるので注意しましょう。
2021年1月には、東京オリンピックのTwitterアカウントが組織の発足日を誕生日として登録したところ、7歳の利用者と判定、「このアカウントは存在しません」と表示され、過去のツイートなども閲覧できなくなる事態に。
修正してすぐにアカウントが再開されましたが、ニュースなどに取り上げられ話題になりました。
【本日の事象につきまして】
— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) January 24, 2021
本日10時より東京2020組織委員会公式Twitterアカウント(@Tokyo2020jp)が一時的に閲覧いただけない状態となっておりました。現在は復旧しております。
フォロワーの皆さまにはご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
年齢制限による利用停止は、公式アカウントならではのミスで、他にも同じミスをした公式アカウントが複数ありますので、担当者は十分注意してください。
誹謗中傷や信頼性を脅かす行為
以下のような行為はアカウント停止に繋がります。
・情報の人為的な拡散/隠蔽
・Twitterのサービスの侵害などに当たる行為
・市民活動の妨害
・なりすまし
・メディア操作
・著作権/商標の侵害
例えば2021年1月にトランプ氏のTwitterアカウント凍結・永久停止となったことも話題になりました。きっかけはトランプ氏が米連邦議会議事堂に集まった自身の支持者らを称賛するツイートをしたことでした。
この内容が1月6日に首都ワシントンで発生した支持者らによる暴動をあおったおそれがあるとして、Twitter社がアカウントを凍結したのです。
Twitter社では次のようなツイートで、凍結にいたった経緯を説明しています。
As a result of the unprecedented and ongoing violent situation in Washington, D.C., we have required the removal of three @realDonaldTrump Tweets that were posted earlier today for repeated and severe violations of our Civic Integrity policy. https://t.co/k6OkjNG3bM
— Twitter Safety (@TwitterSafety) January 7, 2021
“市民活動の阻害に関するポリシーの重大な違反を繰り返したため、トランプ氏の3件のツイートを削除する必要がある。これは、トランプ氏のアカウントがツイートの削除後12時間ロックされることを意味する。トランプ氏がツイートを削除しない場合、アカウントはロックされたままになる。今後違反が繰り返されれば、恒久的な停止につながる可能性もある”
凍結の翌7日には、トランプ氏が該当のツイートを削除したため、Twitterの凍結は解除されましたが、翌8日にはさらなる暴力をあおる危険があるとアカウントの永久停止となりました。
発言内容によっては、誹謗中傷や信頼性を脅かす行為と取られる場合があるので、公式アカウントでは、不用意な発信は行わないようにしましょう。
つぶやきデスク編集部より
2022年11月21日現在、トランプ氏のアカウントはイーロン・マスク氏により復活しました。
スパム報告、一斉フォローなど
不特定多数のユーザーに偽サイトのURLを発信するなどのスパム行為があると凍結される場合があります。また、ユーザーからの「スパム報告」が多数あると凍結されることがあります。
明らかにスパムではなくても、同じ操作を繰り返したり、同じ内容を繰り返したりしても、スパム判定を受けることがあります。Twitterには、操作に関する回数制限が設けられているので、上限を超えないようにしてください。
公式アカウントが注意したいのは、短時間に大量のフォロー・フォロー解除などを行う行為です。フォローは一般のTwitterアカウントは1日に最大400アカウントまで、認証済みTwitterアカウントは1日に最大1000アカウントまでという制限があります。
それを超えるとフォローができなくなります。フォロー・フォロワーの整理でまとめて作業する場合がありますが、この制限にひっかかるだけでなく、時にスパム行為の判定を受けてアカウント凍結されてしまうことがあるので、上限を超えないようにしてください。
また、複数のアカウントから同内容をツイート、リツイートするような行為もスパムと判定される場合があります。キャンペーン企画などで、悪意なくこれらの行為を行って、アカウントが制限されないように注意しましょう。
2010年には、飲料メーカーがキャンペーンの一環として、特定のキーワードに対してBOTで自動的に返信するアカウントを複数作ったところ、「ユーザーからなりすましによるスパムではないか」と疑われ炎上し、実際一部アカウントが凍結された事例がありました。
BOTによる運用は、気づかぬうちにスパム行為にみなされることもあるので、特に自動返信などはしないようにしましょう。(Webサイトの更新情報の自動ツイートなどは問題ありません)
その他、Twitterルールに違反する行為
Twitterが設けている「Twitterルール」に違反した行為をすると凍結される場合があります。次のようなものがあります。
ーセキュリティリスク
暴力、テロ行為、児童ポルノ、他人への嫌がらせ・攻撃的な行為、ヘイト行為、自殺・自傷のほのめかし、暴力的なコンテンツ、違法な商品の販促や活動の促進など
ープライバシー侵害
他のユーザーの個人情報、合意のない裸体の画像、動画の投稿など
ーなりすましのアカウント
アカウントの偽装行為(なりすまし)、ユーザーのセキュリティを脅かす行為など
セキュリティに問題がある(乗っ取り、ハッキングなどの被害にあっている)
第三者にアカウントが乗っ取られている・ハッキングされている疑いがある場合、そのアカウントによる悪質な行為のリスクを軽減するためにアカウントが凍結されることがあります。
セキュリティの問題が解消されて、本来のアカウント所有者の管理下に戻るまでの間、アカウントが凍結されます。
凍結・アカウント停止には段階がある?適応レベルとは
一言で、凍結、停止と言っても、実は制限にレベルがあります。制限はツイートやダイレクトメッセージなどの特定のコンテンツ、またはアカウントに対して行われます。
該当するツイートだけが非表示にされることもあれば、アカウント全体が凍結されることもあります。
なおアカウントの制限についても、次のようなレベルがあります。
1.メディア・プロフィールの変更要請
アカウントのプロフィールやメディアコンテンツが、Twitterポリシーに違反している場合、プロフィールやメディアが一時的に非公開にされます。違反者にはTwitterより連絡があり、どのプロフィール、コンテンツが違反しているかの説明と、変更の要請があります。
2.読み取り専用モードへの強制変更
読み取り専用モードになると、ツイート、リツイート、いいねなどができなくなります(フォロワーへのダイレクトメッセージは可能)。他のアカウントは、読み取り専用モードのアカウントを見たり、会話したりできます。
これまで違反のなかったアカウントが、急に攻撃的なツイートをしているといった場合、一時的に読み取り専用モードに切り替えられます。期間は違反の内容に応じて12時間から7日と幅があります。
3.アカウント所有権の認証
他のアカウントへの攻撃などの嫌がらせを防ぐため、一時的に凍結され、ログイン時にアカウントの携帯電話番号、メールアドレスによる所有権の認証を求めることがあります。これは、攻撃目的で複数のアカウントを作成するようなユーザーを特定するためのものでもあります。
アカウントがロックされると、認証が完了するまでのアカウントはフォロワー数、リツイート、いいねにカウントされません。
4.永久凍結
もっとも厳しい措置です。永久凍結されると閲覧対象から削除され、Twitterを利用できなくなります。また、新しいアカウントの作成もできなくなります。永久凍結される場合は、Twitterからどのツイートが問題なのか、どのポリシーに違反したのかについて説明があります。
アカウントの凍結・ロックを解除する方法とは?
Twitterの間違った判断により、アカウントが永久凍結された場合、異議を申し立てることができます。
アカウントが凍結されると、Twitterより凍結の連絡、判断に至った経緯、異議申し立てのリンクなどが表示されるので、まずは内容を確認します。Twitter社では以下のようなツイートをしています。
Twitterルールに違反したことでアカウントが凍結になった場合、どのツイートがどのルールに違反しているのかを、メールにて、より具体的にご連絡するようにいたします。なお、メールには異議申立てを行われる際のリンクもご案内しています。 pic.twitter.com/GEmc7iiuKL
— Twitter Japan (@TwitterJP) March 14, 2018
自分でアカウントの凍結解除をする
上記でも説明したように、携帯電話番号、メールアドレスによる認証が求められる場合は、認証を完了すれば、凍結を解除できます。認証番号が届くので認証を行います。
セキュリティの理由でアカウントがロックされているというメッセージが表示されている場合は、そのアカウントの乗っ取りなどで不審な行動が行われている可能性があります。アカウントのロックを解除するには、パスワードを変更します。
特定のツイートが問題の場合は、Twitterからの指示にしたがって該当ツイートを削除します。
異議申し立てをする場合
アカウントの制限が不当だと思う場合は、異議申し立てができます。Twitterからのメッセージにある異議申し立てのリンクから、異議申し立てができます。
そもそも凍結させないために対策できること
公式アカウントが凍結、ロックされてしまうと、情報が発信できなくなってしまいますし、信頼性も損なうことになります。アカウントを凍結されないように次のようなことに注意して運用しましょう。
Twitterルールを遵守する
何はともあれ、Twitterルールを遵守することがもっとも重要です。よく内容を確認し、運用するようにしましょう。
ルール違反があると、他のユーザーから通報される場合があります。Twitterキャンペーン、企画の一環としての内容も、通報につながることがあります。まぎらわしい内容は避けたほうがよいでしょう。
例
ゲームアプリに登場した期間限定の敵イベントにあわせて、「このアカウントは敵軍団がのっとりました。ワハハ」といった内容をツイート。通報してしまったユーザーがいました。
スパム行為と誤解されるような使い方をしない
アカウント凍結の理由でも述べましたが、スパム行為とみなされるような行為を行うと、アカウントを制限されたり、ユーザーからスパム報告されてしまうことがあります。
前述の通り、短時間で大量のアカウントフォロー/フォロー解除、同内容の大量ツイートをすることは避けることはもちろん、キャンペーンで大量にDMを送る場合も、複数回に分けて行ってください。(DMの配信制限は1日1,000件)
なお、キャンペーンでDMを送る場合は、ユーザーを不安にさせないために、あらかじめキャンペーンの仕組みとして公式アカウントからDMで連絡があることなどを周知しておきましょう。
あらかじめキャンペーンの仕組みとして公式アカウントからDMで連絡があることなどを周知しておきましょう。
診断アプリなどを不用意に利用しない
出所不明のアプリを連携してしまうと、セキュリティリスクになることがあります。こうしたアプリの利用はしないようにしましょう。
メンバーによる思わぬ事故を防ぐ つぶやきデスクの便利な機能
Twitter運用管理ツール、つぶやきデスクには、想定外のアカウント凍結を防ぐ機能があります。