投資をより身近に!キャンペーンとモーメントカレンダーを活用して若年層にアプローチ【導入事例:松井証券様】

株式、投資信託、FXなど、幅広い金融商品のネット取引を取り扱う松井証券株式会社。最近は、人生の節目となるライフイベントをきっかけにお金のことを考えてもらえるよう「ライフと松井」プロモーションを展開し、若年層の認知獲得のための施策に重点を置いています。

2020年には、東京ドームのベンチにあるベンチとブルペンをつなぐ電話を、コールセンターのサポートダイヤルに見立て、「相談できるネット証券」のキャッチコピーで広告出稿も行いました。

同社では、つぶやきデスクを2019年5月から活用しています。Twitter運用の考え方や、つぶやきデスク導入の経緯、効果について、マーケティング、ブランディング広告を担当する緒方ひかり氏にお話をうかがいました。

若年層への認知拡大を目的に、カジュアルなコミュニケーションを行うアカウントを開設

公式アカウント(@Matsui06)をすでに運用している中、2018年9月からPRのためのTwitterアカウント(@Matsui_PR)の運用を開始した理由について教えて下さい。

緒方氏:既存の公式アカウントは、既に投資をしている方に向けて主に株式市場の相場情報などの配信に利用しています。

いわゆる資産形成層、特に若年層の方へのアプローチを強化するにあたり、当社をより身近に感じてもらうことを目指して、カジュアルな投稿をするプロモーション用のアカウントを新しく開設しました。若年層への認知拡大を目的に、これから投資を始める人に向けて発信しています。

KPIはどういった指標にしていますか?

緒方氏:「松井証券」というワードを含む、SNS投稿数をKPIとして、日次、月次で数値をチェックしています。最近は、1日あたり100件程度の投稿があり、相場が盛り上がったときなどは1日1,000件近く投稿されることもあります。

また、1年に4回、プロモーション施策全体を評価するために市場調査を行っており、その中で、当社名を認知した場所として、Twitterも選択肢に含めて評価しています。こちらは参考指標として活用しています。

■「○○の日」と投稿キャンペーンで、アカウント運用を盛り上げる

SNSの運用体制について、どのようなかたちで、投稿企画、投稿作成、投稿などを行っていますか?

緒方氏:日々の投稿と、スポット投稿(キャンペーンや動画セミナー公開のお知らせなどのニュース)の2種類があります。日々の投稿は、私が毎月末までに翌月1ヶ月分の投稿案を考えて作成し、社内の承認を得て、投稿日に都度投稿をしています。

日々の投稿では、Twitter社が公開しているモーメントカレンダーの「今日は何の日」を参考にして「○○の日」の投稿をしています。
(注:モーメントカレンダーとは)

「○○の日」にちなんだ投稿をしている理由は、「〇○の日」がトレンド入りすれば拡散を見込めることと、ネタが作りやすく続けやすいためです。投資、資産形成はまだまだ誰にでも身近な話題ではないので、「○○の日」を切り口にしたカジュアルなコミュニケーションを意識しています。

キャンペーンも頻繁に開催されていますが、キャンペーンの意図や効果についてお話ください。

緒方氏:フォロー&RTキャンペーンや、大喜利キャンペーン、投票できるカンバセーショナルカードを使ったキャンペーンなど幅広く実施しています。

大喜利キャンペーンでは「○○できるネット証券」の「○○」を考えて投稿してもらうキャンペーンを実施しましたが、「気軽に取引できる」など当社への期待を込めたツイートがたくさん寄せられました。

キャンペーンは、社名や金融商品、株主優待などの認知拡大など、目的はその時々で異なりますが、他のチームが実施しているキャンペーンの拡散の依頼を受けることもあります。キャンペーンには、いつもおおよそ数千人が参加してくれており、10万件以上の応募があったキャンペーンもあります。

大喜利は自分で考えて投稿する必要がありハードルが高く、その分参加者は少なくなりましたが、松井証券のことを考えて投稿してくれた人が多かったと思います。

■高額で少数当選、低額で多数当選、どちらが効果があるのか?

キャンペーンの成果をどう評価していますか?

緒方氏:フォローを条件にしているので、フォロワー獲得はできていますし、キャンペーン終了後もフォロー解除せずに、日々の投稿を見てくれていると思います。

キャンペーンの当選者の中には「当選をきっかけに投資に興味を持った」とツイートしてくれる人、サービスを紹介してくれる人などもいて、松井証券を好意的に見てくれる方が増えていると感じます。

印象に残るキャンペーンや反応が多かったキャンペーンなどはありますか?

緒方氏:昨年、「ロボアドde投資応援キャンペーン」という、4か月連続のキャンペーンを実施し、初めてオートリプライ機能を導入してみたり、景品の種類や当選人数を普段と変えてみたりした結果、想定よりかなり多くの反応を頂くことができました。

また、検証も行い数人に高額商品が当たるよりも大人数に少額商品が当たる方が反応は良い、といった結果も得られ、今後もこういった試行錯誤を積み重ねていきたいです。

Twitterの運用で気を付けていることはありますか?

緒方氏:証券会社は信用第一なので、発信内容は一言一句気を付けて、見た人を不快にさせないように、多角的な視点からチェックできるよう、複数人の承認を通してから投稿しています。投稿のチェックは、投稿案をメールで確認してもらっています。

さらに投稿するときにも、つぶやきデスクの承認機能を使って承認を得てから投稿しています。

ハッシュタグの使い方などで意識していることはありますか?

緒方氏:むやみやたらとつけるのではなく、これぞというワードにハッシュタグを付けるよう意識しています。例えばキャンペーンならそのキャンペーン独自のハッシュタグを付けたり、通常の投稿なら「○○の日」の部分だけハッシュタグにして読みやすく、かつトレンドに入った時に表示されるようにしています。

■他社ツールからの乗り換えで、つぶやきデスクを導入

つぶやきデスクを導入した背景について教えて下さい。導入前の課題はありましたか?

緒方氏:2019年5月から使用させていただいています。それまで使っていたツールは、コストの面で課題を抱えていました。つぶやきデスクの提案をいただき、画面を見せてもらったところ、機能面で問題なく、コスト面でも申し分なかったことから、ツールの乗り換えを決めました。決め手は承認フローの使い勝手です。承認申請一覧で誰がいつ承認したかがわかりますし、承認画面上での編集もできる点が便利です。

つぶやきデスクでよく使う機能、特に便利に感じていることを教えて下さい。

緒方氏:DM一斉配信は、キャンペーン当選者への通知に使用しています。Amazonギフトカードを100人にプレゼントするというときでも、素早く大量に送信できるので、大変便利に感じています。送信の終了時間がわかるのも、作業の予定を立てやすいので便利です。

キャンペーンの時は、キャンペーン応募ツイートの集計に検索フォルダを使っています。CSV出力ができ、簡単に集計できる点が便利です。キャンペーンについては、以前は集計作業、DM送信までおよそ3時間程度かかっていましたが、今は同じ作業を30分でできるようになり、大幅に業務を効率化できました。

土日や休暇中に投稿したい場合は、予約投稿機能を使用しています。指定のやり方もわかりやすいです。

分析機能は、日常的にはまだ活用できていませんが、すぐに確認したいことがある時には、直感的な操作ができるので便利です。

今後やっていきたい施策はありますか?

緒方氏:今は一方的な発信に偏っていますが、今後は松井証券についてツイートしてくれている個人のツイートに「いいね」やリツイート、リプライなどもしていきたいです。その際もつぶやきデスクの承認申請が役立ちそうです。

一方、炎上しないようにも気を付けつつ、万一炎上した場合の対策もしっかりと考えていきます。Twitterの炎上のきっかけは、金融機関のコンプライアンス基準だけではカバーしきれませんので、丁寧で慎重なコミュニケーションを心掛けていきたいです。

モーメントカレンダーとは

モーメントカレンダーとはTwitter社が提供している「話題になりそうなイベントを事前に予測・把握できるカレンダー」です。キャンペーンの計画を立てたり、日々のツイートのネタとして活用できます。イベントは「記念日・祝日」、「季節」、「スポーツ」、「エンターテイメント」の4つのカテゴリーに分かれています。

カレンダーは「年間カレンダー」と「詳細版カレンダー」の2つが存在しており、詳細版では、各月で盛り上がりそうな話題に関しては、ツイート予想といって、ツイート数の推移とピークのタイミング、関連ハッシュタグなどの豆知識(#Tips)が記載されています。

モーメントカレンダーのあるページへは、こちらの「Twitterモーメントカレンダー」から行けます。

以上、つぶやきデスク編集部より。(戻る)