誤爆を防ぎフォロワーを増やす方法は?企業アカウント運用者の悩みを解決

*この記事はITジャーナリスト高橋暁子さまに寄稿いただきました。

これまでご説明してきた通り、Twitterは日本で特に人気が高く、ビジネスに使いやすいツールだ。企業アカウントは販促や認知拡大、カスタマーサポートなどに効果的に活用できる。

しかし一方で、企業アカウントには企業アカウントならではの悩みやトラブルもある。企業や企業アカウント運用者にとって、悩みを改善しトラブルを防ぐことは大切なことだ。

今回は、Twitterの公式アカウント運用における悩みやトラブルと具体的な対策について解説したい。

Twitterのビジネス活用には悩みがつきもの

Twitterのビジネス活用で起きる悩みやトラブルは、多くの企業アカウント運用者が共通して感じるものではないか。

かつて、企業のTwitterアカウント運用者、通称「中の人」サミットを見たことがある。タニタやキングジム、タカラトミー、東急ハンズなどの人気アカウントの運用者6名がTwitterの運用について語るセミナーだ。これには学びがとても多かったので、この欄を借りてご紹介したい。

それによると、「炎上経験がある」のは6人中4人。「投稿で怒られたことがある」も6人中5人いた。また、「誤爆したことがある」は6人中4人だった。

誰もが知る人気アカウントの運用者でも炎上しているのだ。以前ご説明した通り、炎上は誰もが起こしうるものであり、炎上しないことを目指すのではなく、炎上した後の素早く真摯なフォローが大切なことがわかるだろう。

投稿で怒られた例として、自社の新製品のデザインを好みではない旨投稿したところ、社内のデザイナーに注意されたという話があった。

その発言をした運用者は、「多少怒られることがあっても自分の意見を言うことは大切」としていた。企業にとって、会社の評判や信用に関わるのでなければ、そのくらいの発言の自由さは認める度量の広さが求められる。このあたりについても、しっかりと社内で共通認識をもつ必要があるだろう。

【つぶやきデスク編集部より】
「中の人サミット」のセミナーまとめはこちらです。

誤爆防止には端末・アプリ分けが必須

注目したいのは、これほど運用に慣れている人たちでも「誤爆」、つまりプライベートアカウントで投稿すべきことを企業公式アカウントで投稿した経験があるということだ。

誤爆は、内容によっては愛嬌で済まされることもあるが、逆に炎上して大問題に発展してしまうこともある。

2019年7月、CBCテレビ報道部公式アカウントが、政治家の和田政宗氏に対して「ちょっと小突かれただけで、暴行事件とは。大げさというより、売名行為」とツイート。

和田政宗氏は7月21日投開票の参議院選挙に立候補していたが、仙台市で男性から暴行を受けたと動画付きで投稿し、話題になっていた。

その後、同アカウントが「現状、アクセス権のある報道部員が投稿した形跡は確認できません」と乗っ取りの可能性を示唆したことで、再炎上してしまったのだ。実際は、誤爆だったと考えられる。

同社はリリースを出し、「より厳格化したソーシャルアカウント管理・運用規定の改定及び全社的な管理体制の再構築を外部の専門家を入れて早期に実行し、運用に関する研修を行うなどあらゆる手段を講じて、再発防止に努める」としてアカウントを停止したが、現在も再開していない。

CBCテレビのリリース
「CBCテレビ報道部公式ツイッターでの不適切な投稿について 2019年7月25日」
参照:CSBテレビ ニュースリリース

Twitterは、公式アプリでも複数のアカウントを使い分けられるようになっている。若者世代において、複数のアカウントを所持し、趣味やテーマ、人間関係などでアカウントを使い分けることが一般的となっているためだ。

便利な機能だが、同じアプリで複数のアカウントを使い分けることで当然誤爆は起きやすくなる。「アカウントを切り替えたつもりで切り替えられていなかった」は非常によくあることで、誤爆によって炎上したり、企業が謝罪するはめになったことも多いのだ。

誤爆防止法としておすすめしているのが、アカウントごとに端末やアプリ、ブラウザ、クライアントなどを決めて使い分ける方法だ。

特に企業アカウントで誤爆することは避けたいので、プライベートアカウントと同じアプリなどで運用することは絶対に避けよう。たとえば、端末やブラウザ、アプリ、クライアントなどを分けて運用することで、誤爆は防ぐことができる。

運用リソース、増加しないフォロワー数が運用上の悩みに

続いて、SNS運用に取り組む企業の担当者を対象としたガイアックスソーシャルメディアラボの「アンケート結果」(2020年4月)を見てみよう。それによるとTwitterは、「現在運用しているSNS」で2位(94社)、「今後もっと注力したいSNS」でも2位(74社)と、多くの企業によって運用、支持されている。

SNSマーケティングの課題は」という質問に対しては、「運用リソースが足りない」が66社でトップに。続いて「フォロワー数やファン数、友だち数が伸びない」(56社)、「投稿コンテンツが期待するほど伸びない、バズらない」(47社)などとなった。共通する悩みを抱えているという企業アカウント運用者は、多いのではないか。

なお、企業アカウントのフォロワー数やファン数、友だち数を伸ばす際によく使われるのが、SNSキャンペーンだ。

企業公式アカウントをフォローした上で、キャンペーン専用ハッシュタグをつけてツイート・リツイートすることを条件とするプレゼントキャンペーンが行われることは多く、効果につながりやすい。

その他、顧客がフォローしたくなるようにプロフィールを充実させたり、投稿頻度を高めたり、自社名や商品・サービス名などで検索して顧客をフォローしたり、ツイートに「いいね」などをしたり、ツイートの質を上げることなども大切だ。

また企業アカウントを運用する際には、やはりKPIが大切という声がある。KPIとは重要業績評価指標の意味であり、運用の際の目標達成の度合いを定義する際に使われる指標のことだ。

同アンケート調査では、「SNSアカウントのKPIは」という質問に対し、「フォロワー数、ファン数、友だち数の増加」が82社でトップになった。

続いて、「エンゲージメント数の増加」(61社)、「自社サイトのページビュー数の増加」(59社)、「購入や予約件数の増加」(41社)などとなっていた。自社の目的に叶うものや、SNS内でのわかりやすい数値などが設定されることが多いというわけだ。

休日もツイート、負担増すアカウント運用

冒頭でご紹介した中の人サミットでは、「休みやオフの日でもつぶやくことがあるか」という質問に対して、全員が「イエス」と回答していた。

Twitterはリアルタイム性が求められるため、休日やオフの日でもツイートすべき時にはツイートした方が効果が期待できる。運用には、そのような手間や面倒があるのだ。

また企業の公式アカウントはビジネス上の効果は期待できるが、一度運用し始めると運用が面倒だからといってやめることは難しくなる。公式アカウントとして、またフォローしてくれた顧客への責任が生まれるためだ。

企業のTwitterアカウント運用者で、専業という方はまずいない。別に本来の業務を抱えて行う兼業任務だからこそ、リソースを無駄にせず、効率的な運用や担当者の負担軽減が求められるのだ。

Twitterクライアントは企業アカウント運用者の味方

そこでおすすめしたいのが、Twitterクライアントの活用だ。たとえば誤爆も、企業アカウントでの投稿はTwitterクライアント経由に限定すればなくなるのではないか。

また「予約投稿機能」を使えば、休日やオフの日にツイートする負担もなくなるだろう。同時にTwitterクライアントで複数の目でチェックできれば、炎上も減らせるのではないか。

予約投稿だけなら公式アプリでもできるが、複数の目でチェックすることを考えると、やはり専用のTwitterクライアントがあると便利だ。

つぶやきデスクの便利な機能

そのようなTwitterクライアントの一つが、アユダンテの「つぶやきデスク」だ。企業のTwitter運用者専用となっているのため、運用する際の悩みの改善につながる機能が充実している。

たとえば炎上を防ぐためには、「ツイートの前にリーダーが承認許可をする機能」が用意されている。

分析した結果、効果的な投稿曜日と時間がわかった場合、それに合わせた時間に投稿したい。キャンペーン開始などに合わせて、どうしても投稿したい時間が決まっていることもあるだろう。

そのようなときには、「日時指定投稿機能」が便利だ。

KPIを設定して運用する際にも活用できる。一般的に企業SNSアカウントのKPIに相当するものは、たとえば以下のようなものが考えられる。

・フォロワー数
・リーチ/インプレッション数
・エンゲージメント数/率
・いいね数
・サイト誘導数

・コメント/リプライ数
・ハッシュタグ数
・コンバージョン数
・クーポン利用数

このようなものを見るためには運用レポートが必要だが、作成にはかなりの手間と時間がかかってしまう。

そこでこのようなツールを使えば、効果分析データをダウンロードもできるので、手間と時間を省くことができるというわけだ。また、キャンペーンの応募や特定のハッシュタグを検索してフォルダで自動集計もできるので、キャンペーンなどを行う場合にも便利に使えるだろう。

Twitterの運用は企業にとって大切だが、運用者の負担を減らし、トラブルや悩みを解決することも重要だ。専用ツールには様々な便利機能がついているので、活用するといいかもしれない。